債務整理の1つで裁判所を通じて行う「個人再生」について、メリットやデメリット、利用した時の減額例などをまとめています。

個人再生は裁判所を通じて行う債務整理の1つで、現在の債務総額(借金総額)や現在の経済状況によって大幅に借金を減額出来る手続きです。
ケースにもよりますが、最大で借金を10分の1にすることが出来ます。
裁判と聞くと思わず身構えてしまいますが、個人再生は年間約2,5万件ほど行われていますから、それほど珍しいことではありません。
個人再生を行うには裁判を行う必要があるので、弁護士事務所を通さず自力で行うのは極めて難しいと言われています。
裁判所の公式HPにも同様に書かれていますし、弁護士を代理人として立てない場合は裁判で追加料金がかかるケースもあります。
なので、債務整理に強い弁護士事務所にしっかり相談して手続きを進めていきましょう。
個人再生の手続きには、大きく分けて2種類あります。
・給与所得者等再生手続
・小規模個人再生手続
この特徴を表にすると、以下のようになります。
| 給与所得者等再生手続 | 小規模個人再生手続 | |
|---|---|---|
| メインとなる対象者 | サラリーマン | 自営業 |
| 手続きを進めるための条件 | ・借金の返済が困難と認められる ・継続して定期的な収入を得られると認められる ・住宅ローンを除いて借金総額が5,000万円を超えていない |
・借金の返済が困難と認められる ・継続して収入を得られると認められる ・住宅ローンを除いて借金総額が5,000万円を超えていない |
| 手続き中の債権者(貸金業者) | 特に権利なし | 半数以上の債権者が反対すれば、手続きは進められない |
| 減額される金額 |
①以下の表 この①~③で一番金額が大きいもの |
①以下の表 この①・③のうち金額が大きいもの |
※左右にスクロールします。
黄色マーカーを引いたところが、両者で違う部分です。
給与所得者等・・・の方は、定期的な収入が無いと再生手続を進められません。
そして小規模個人・・・の方は、債権者の半数以上からの賛成を得ないと手続きが進まないのです。
最後にある「選択される減額基準」の①は、この表です。
| 借金 | 手続き後の借金 |
|---|---|
| 100万円未満 | 減額なし |
| 100~500万円 | 100万円 |
| 500~1500万円 | 5分の1 |
| 1500~3000万円 | 300万円 |
| 3000~5000万円 | 10分の1 |
全てこの表通りに決まれば分かりやすいんですが、そうではありません。
例えばあなたの借金が1,500万円で、全財産の価値が1,000万円あるとします。
上の表だけで考えると減額後は300万円になりますが、①より③の金額が大きいの、1,000万円の返済が必要という事です。
ちなみに、②の「可処分所得の2年分」とは、毎月の収入から必要な生活費や税金などを引いた金額の2年分です。
つまり、自由に使えるお金ですね。
小規模個人再生手続では、この基準は使われません。
③の自分の財産すべての価値は、今ある車や家・その他財産をすべて処分した時の金額です。

〇借金が最大で10分の1まで減額出来る
⇒債務が100万円以上ある場合は大幅に減額する事が出来る
〇返済額を増やさずに3年間もしくは5年間に引き延ばせる
⇒1回あたりの返済額を大きく抑えられる
〇借金の原因は問われない
⇒ギャンブルや転売・娯楽など自己破産では認められない理由の債務でも減額出来る
〇受任通知が送られる
⇒借金の取り立てや催促が来なくなる
〇職業や資格の制限を受けない
⇒弁護士や司法書士・保険外交員・古物商・警備員・宅地建物取引主任者などでも利用できる
個人再生のメリットとしては、ザっとこれくらいです。
一番のメリットは大きく債務を減らせる点です。
債務総額にもよりますが最大で10分の1まで減らせますから、その後の生活がかなり安定するでしょう。
また、家や車のローンがあったとしても今まで通り払い続ければ手放さなくて済むケースもあります。
自己破産の場合はほぼすべての資産を手放す必要がありますから、絶対に手放したくない資産がある方は個人再生の方が良いと思われます。
例えば、あなたの借金が300万円(年利15%)あった場合、個人再生を受けるとこのようになる可能性があります。
借金総額:300万円⇒100万円
毎月の返済額:8.5万円(36か月分割)⇒約2.8万円(36か月分割)
借金が3分の1にまで減額されますから、毎月の返済額も相当安くなっていると思います。
具体的に「個人再生でどれくらい借金が減るのか」という基準はいくつかありますが、1つはこれです。
| 債務総額 | 手続き後の借金 |
|---|---|
| 100万円未満 | 減額なし |
| 100~500万円 | 100万円 |
| 500~1500万円 | 5分の1 |
| 1500~3000万円 | 300万円 |
| 3000~5000万円 | 10分の1 |
借金が100万円以下だと減額されませんが、それ以上になるとかなり大きく減額されます。
この基準と合わせて
①可処分所得(手取りー生活費)の2年分
②所有している財産の総額
これらを比べて、一番高い金額が返済総額となるケースが多いです。

〇信用情報機関に登録される
⇒5年程度はローンやクレジットカードの審査が通らない
〇保証人が要る場合は、保証人に請求がいく
⇒保証人に迷惑をかけたり信用を失ってしまう
↑
保証人がいる債務を個人再生の対象外に出来れば問題無い
〇官報に名前と住所が掲載される
⇒債務整理をした事が第三者にバレる可能性はあるが、見る人が少ないのでバレる可能性は低い
〇弁護士費用が比較的高い
⇒裁判所を通じて行う手続きなので、任意整理よりも高額になる
〇家や車を残せないケースが多い
⇒残すためにはお金が無い中でローンを今まで通り支払わないといけないので、経済的に難しい
個人再生も債務整理の1つなので、信用情報機関に登録されます。
裁判所を通じて行うので官報にも名前と住所が掲載されますが、一般的な国民が見る事はまず無いでしょうから、周りにバレる心配は少ないと言えます。
弁護士費用については任意整理より高額に設定されていて、相場で言うと30万円~50万円程度といった所です。
高額とはいえ、借金が数百万円以上も減額されるケースがありますから、手続きが認められる見込みがあればやっておかないと損ですね。
費用については<こちらの記事>にまとめています。

個人再生を行う流れは裁判所によって少し異なりますが、大体は以下の流れとなります。
①個人再生の申立てを行う
②個人再生委員が選任される
③裁判所にて、再生手続開始決定が出される
④個人再生委員との面談を行い、再生計画案を提出する
⑤再生計画案の認可・不認可を決定する
⑥再生計画案に基づいて返済を始める
何だかややこしく見えますが、弁護士がいれば申立代理人としてサポートしてくれます。
弁護士がいれば個人再生委員がいないケースもありますが、東京地裁では必ず個人再生委員が選任されます。
③の時点から、債権者からの取立が行われなくなりますが、裁判所の許可なしで財産を処分する事も禁止されます。
再生計画案というのは、先ほど「個人再生の減額例」で出した基準を元に計算した返済額が書かれています。
どれだけの金額を何回で返済するか という計画表ですね。
ここまでメリットやデメリット・減額例についてまとめてきましたが、いかがでしょうか。
借金の理由は問われず、家や車を残せるケースがあって、かなりの減額が期待できるというのは大きなメリットですね。
最初にも書きましたが、個人再生は年間で約25,000件ほど行われています。
裁判自体は専門家である弁護士がいますし、費用の分割払いに対応している弁護士事務所も多数あります。
このままだと返済が出来ないと感じている方は、一度弁護士事務所へ相談してみてください。
無料相談を行っている所も多くありますし、チャット形式のシミュレーターで減額出来る金額目安を調べる事も出来ますから、そこまでハードルは高くありませんよ。
相談料や流れについては<こちらの記事>にまとめています。
このサイトは、借金500万円を抱え2017年に債務整理を行った私が、債務整理の体験談や種類・メリットデメリットについて詳しくまとめています。

個人再生のおかげで、借金総額500万円は100万円になりました。そのおかげで、今の生活は何とか快適に送れています。
借金が膨らんで生活が苦しくなってきたら、自力で何とかしようとするよりもまず専門家を頼りましょう。
債務整理をしている人はたくさんいますし弁護士費用以上に借金が減りますから、思っているよりもハードルは低い手続きです。
続きはこちら。
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